Shammer's Philosophy

My private adversaria

技術スキルとヒューマンスキル

もう今は昔、、、と言える話になっただろうか。
一昔前は、コンピュータ技術者はいわゆるオタクで、人付き合いが苦手でコンピュータと
接している方が得意、という感じだった。
が、業務システムを構築する仕事が一般的になるにつれて
そういう感じの技術者は徐々に敬遠されるようになって、
コンピュータ技術者も人との接し方を身につけるべき、という風潮が高まってきた。
最近ではこっちの方が一般的だと個人的には感じているけれどどうだろうか。
つまり、人と接するのが苦手だからコンピュータ技術者になる、
という選択肢はあり得ないものとなったと思っている。
決して饒舌である必要はないが、最低限のコミュニケーションはとれないとNGだ。

最近コミュニケーション以外でもヒューマンスキルの必要性を考えさせられている。
それは責任感というか、仕事の丁寧さというか、そういうものだ。
そんなの当たり前だ、と思われてしまうかもしれないが、以外にも技術に目がいっていてこのことに気づいていなかった。
自分の感じたのは、任された仕事は最後までやり遂げる、という最低限の責任感の話ではない。
お客の期待値の120%の成果を出す姿勢でもない(後者にはつながるかもしれないが)。
自分が感じたことは、自己管理ができない人は技術スキルを磨くこともできない、ということだ。
勉強時間の捻出から、集中力の確保(言葉がちょっとおかしいが)、周囲との付き合いすべて含めて、
しっかり立ち回ることができない限り技術力の向上も難しい。
気付いてみれば当たり前だ。ヒューマンスキルはPCで言えばOSにあたる。
OSがしっかりしていないとその上で動く他のアプリも不安定だ。
ヒューマンスキルはOSそのものだ。
どんなにアプリがしっかりしていても、OSが不安定であれば精度は頭打ちになるし、改良も難しい。
技術力ばかり伸ばしていても、自己管理能力をはじめとするヒューマンスキルがガタガタだと、やっぱりアウトプットも不安定になってくる。
ここは両方バランスよく磨く必要がある。


ヒューマンスキルを伸ばす、言葉を換えると人間を育てる、ということ。
これは言うは易く行うは難し、だ。人が簡単に育つものなら日本もこんな借金大国にならなかっただろうに・・・
個人的な見解としては、これを伸ばすには長編小説など読みつつ自省することがいいと思う。
ロシア文学とか骨のあるものがいい。
ビジネス書とか読むと、要点がまとめてあって勉強した気持ちになりがちだが、長編を読んで一字一句と格闘することでしか得られない何かが絶対にある。
が、それを続けていてもそれが表面化するまでが非常に長い。


でも技術者に限って言えば、これは効果的だと思う。
何をするにも無数にトライ&エラーを繰り返すことが求められる。
この作業は実に地味な作業だ。まさに堅苦しい長編小説を一字一句読み進めるがごとし・・・
終わりが見えない調査をしていると、途中で投げ出したくなることもある。
そういう時に踏みとどまれるかどうかは技術力でなくヒューマンスキルだ。
ここを伸ばせるか伸ばせないかで技術力も大きく変わってくると思う。