Shammer's Philosophy

My private adversaria

不満と不幸

Newsweek 日本語版で面白い記事があった。国別の成長力・幸福度ランキングというもの。こういうのがあると、当然気になるのは日本の順位。日本の幸福度はどれくらいなんだろう?とりあえず、確認する前に、だいたい80位くらいかな、と予想して見てみたところ・・・なんと9位!総合力というランキング(総合力って?というのはあるけれど)で、日本は自分の予想をはるかに上回る順位だった。


前置きに、このランキングに不満を感じる読者もたくさんいるでしょう、というようにあったが、不満を感じる前に、そもそもなぜ自分は80位くらいかなと思ったのかを考えてみた。その結果、不幸と不満は違うんだ・・・ということ。日本は、不満が多くても、やっぱり平和ボケしていると言われるように幸福な国に分類されるのではないかと。最も、平和と幸福とは完全に同じであるわけでもないが。


日本は、内戦とかはまずない。戦後の歴史を見ても、ちょっとデモ隊と警察でゴタゴタがありました、というのはあるけれども、ちょっと前のユーゴとか、イスラエルパレスチナとか、アフガニスタンとか、そういう世界的ニュースになるような紛争はない。まず、この点だけ見ても、ランキングで上位に入るのは妥当な気がする。多くの人が満たされないまま生活していると勝手に想像しているけれども(そうじゃない人、ごめんなさい)、世界で悲惨だなと思うニュースを考えると、満たされないことと不幸とは別次元の話として考えるべきなのかな、と思った。職業選択の自由、信教の自由、基本的人権の尊重、こういうものが取り込まれた憲法がある、というだけで、世界から見るとすごい先進的な気がする。これがどこまで守られているのかとか、その結果平和ボケしていて様々な問題につながっているんだよ、とか、そういう意見もあるかもしれないが・・・そういう話はおいておいて、このランキングを見たおかげで、これまで考えていなかったようなことを少し考えることができた。


自分自身、たくさんの不満を感じている。でも、感謝できることもたくさんある。不満があるから不幸、ということは、逆に言えば、不満がなくならないと幸福にはなれない、ということか。この定義は間違えている。成長しよう、日々の生活をよくしよう、自分の暮らす地域をよくしていこう、とする限り、不満は決してなくならないだろう。むしろ、不満こそ前進の糧だ。前進を放棄すれば、不満はなくなるかもしれない。でも、そこにあるのは幸福ではなく諦めと後悔しかないだろう。不満と幸福、相反するものに見えるが実はそうではないのかもしれない。